11月24日(水)、手嶋龍一氏をお迎えして日本記者クラブ10階ホールにおいて講演会を開催しました。日頃ESUJ講演会は原則英語で開催していますが、今回は、ご縁あって日頃多忙を極めておられる手嶋氏にご講演をお願いできることになったので、ESUJをより多くの皆様に知っていただきたいという趣旨もこめて「募金特別講演会」と銘打ち日本語でお話いただきました。外交ジャーナリスト、作家、そして大学教授として幅広くご活躍の手嶋氏による今回の演題は『混沌の世界、日本の行方』。折りしも北朝鮮の韓国・延坪島への砲撃という衝撃ニュースが世界を走り、日本周辺の安全保障への緊張がますます高まる中、それにもかかわらず日本の外交力の低下が憂慮される今、手嶋氏がどのようなお話をされるのか注目されました。
9.11テロ以降の世界の潮流、東アジアにおける国際公共財である日米同盟の意義、APECにおける菅外交の評価、そして尖閣諸島沖中国漁船事件、、、各国の思惑や要人の発言・動静を交えて具体的に、極めてわかりやすく解説くださいました。また膨大な一般情報の中から真に貴重な情報の原石となる“インテリジェンス”を見極める能力の重要性、それが昨今ますます低下してお先真っ暗な日本への驚きの提言など、柔和な語り口でユーモアも交えながらも研ぎ澄まされた独特の感性を披露される“手嶋ワールド”に引き込まれ、2時間はあっという間に過ぎました。世界の要人への取材やインタビューなど自らの目で見、自らの足で情報収集を行ってこられたジャーナリストならではの鋭い視点と正確な情報に基づく分析力、プラス豊かな想像力。歯に衣着せぬお話に改めて日本のおかれている現状への危機感を強められた方も多かったと思います。大変充実した講演会でした。